有人サービス

皆さま、こんにちは。サイクロア代表Nでございます。

先日の新聞に出ていたのですが、JRのみどりの窓口が減っている影響で、多くの人が少なくなった窓口へ殺到し、場所によっては長蛇の列になっているところもあるとか。地元のJR駅もいつのまにか有人窓口が機械に切り替わっておりました。

みどりの窓口を削減し、切符の手配などは自動券売機での代替を想定しているようですが、複雑な乗り継ぎを含むケースに対応できず、結果的に少なくなった有人窓口へ人が殺到する事態になっているようです。
私も過去に経験したのですが、自動券売機ではどうしても希望の乗り継ぎが選択できず、仕方なく窓口へ並んだことがあります。そんなに難しい乗り継ぎではなかったんですけどね。
乗車券はすべてSuica精算にしてしまえば良いのでしょうが、地方にはSuica未対応の駅などがあったりしますので、なかなかに難しい問題です。

その昔、みどりの窓口へ切符を買いに行くと、大きな金属のパネルをめくる不思議な機械がありましたね。懐かしいです。当時はこんな時代が来るとは思いもしませんでした。

私も最近JTBで窓口削減の問題を痛感しました。
山中湖ロードレースのツアー代金の支払いにあたり、過去にもらって使わずじまいだった旅行券を処分したくて、JTBの窓口へ行きました。あたりまえですが、旅行券でのネット決済などできるわけも無く、仕方なく窓口へ行ったのですが、順番待ちで1時間以上は待ちましたかね。決して待ち人数が多いわけではないのですが、1組の客をさばくのにとにかく時間が掛かります。
私の場合、待ち1時間以上に対し、支払いに掛かった時間は3分程度でしたでしょうか。
JTBも店舗の統廃合が進み、少ない窓口に人が集中しやすいのと、相談しながら旅程を決めたい人が窓口に集まるわけですから、1件1件に時間が掛かるのも当然ですね。JRのみどりの窓口と同じ構図でしょうか。

まあ、旅行代金はネットでのカード決済が当たり前のご時世、旅行券での支払いなど、受け取る方も迷惑でしかないのかもしれません。その昔、JTBの「ナイストリップ」と書かれた旅行券は贈答品として大変喜ばれたものですが、いまや処分に困るタダの紙、といった様相です。

窓口つながりでいうと、最近では銀行の窓口も同じような状況を呈しています。
相談関連は予約必須、振込や口座の手続きなど予約のできないものは窓口に並ぶしかないのですが、1時間待ちはざらです。
それにしても、税公金の支払いで金融機関の窓口限定というのはなんとかならないのでしょうか。税公金用の自動入金機があっても長蛇の列ですし、元々払いたくないお金なのに、あの状況を見ただけでさらに払いたくなくなります。

銀行といえばお金。本年7月には新紙幣が発行される予定ですが、JTBのナイストリップと同じような状況になるのではないかと危惧しております。今後ネット決済とかキャッシュレス化がますます進んでいくでしょうから、現物のお金など持っていても有人の窓口へ並ばないと使えないとか、そんな状況になりそうです。

ATMに長時間並んで現物のお金をおろし、さらに長時間並んで有人窓口で現金支払いをする。考えただけで気が遠くなります。この「ATMに長時間並んでお金をおろす」という行為も、昭和や平成を象徴するノスタルジー映像として、後年語られることは間違いないでしょう。
銀行も特に個人向けサービスはネットの世界へどんどん移行していくでしょうから、それに伴ってお金も現物からバーチャルの世界へと移っていくのでしょうね。

オフィス近くのファミリーレストラン。気付けばオーダーから支払いまですべてセルフサービス、配膳もネコ型ロボットになりました。ホールスタッフの出番は客の帰ったテーブルの後片付けと、ドリンクバーの中身とグラスの補充くらい(に見えます)。
生産性向上が叫ばれるこのご時世、いまや有人によるサービスは無駄の極みでしかないのかもしれませんね。
その一方、JRやJTBの窓口の盛況ぶりを見ていると、有人サービスに根強いニーズがあることもわかります。急速にデジタル化が進むこの時代ですが、あえてアナログ的な行動をとる、というのも一興かもしれません。