虫の知らせ?

皆さま、こんにちは。サイクロア代表Nでございます。

話題の映画、『国宝』はご覧になられましたでしょうか。
ネットなどの評価を見ても軒並み高評価でして、期待値も高かったのですが、実際観てもよかったです。
まあ、こいうものは個人の趣味に合うかどうかですので、いくら高評価だろうが面白いと感じるかどうかは別の話。しかも3時間という長丁場の作品ですから、退屈しないか少し心配だったのですが、要らぬ心配でした。

映画に感動したので、原作小説も購入し、先日読み終えました。細かなストーリーの違いはあるものの、映画の世界観そのままに、小説も楽しめました。映画も小説もお薦めですので、ご興味ある方はご覧になってみてください。映画を観てから小説、という流れがよいかもしれません。

この小説『国宝』の著者は吉田修一氏。どこかで聞いた名前だなあと思っていたら、現在日経新聞朝刊で連載中の小説『タイム・アフター・タイム』の著者でした。最近の私の毎朝の楽しみになっている小説でして、同じ著者だったとは驚きです。
改めて作品を調べてみたら、NHKドラマ『路~台湾エクスプレス~』など、知っているドラマの原作者だったりと意外と身近な存在。今年ハマってしまいそうです。

そんな『国宝』の小説に夢中になっていたつい先日のこと。その日私は静岡方面への出張で新幹線に乗車しておりました。小説も下巻のヤマ場を迎え、車内で夢中になって読んでいたのですが、なんだか聞きなれない警報音が突然鳴り響きます。なんの音かと思えば私も含めた乗客の皆さんのスマホのアラーム。津波警報発令を知らせるものでした。

その後も車内で何度かアラームが鳴り響くような状況でしたが、新幹線は定刻通りに目的地に到着。いつもの通り、ランチのため駅ビル内の飲食店に向かいます。
ランチを終え、コーヒーを飲みながら小説を読み進めていたのですが、ふと早めにお客様先に入って歯磨きをさせてもらおうと思いつきます。お客様先でいきなり歯磨きとは図々しい限りですが、なぜかその日に限って歯磨きがしたくなり、早めにタクシー乗り場に向かうことにしました。驚いたのはこのあとです。

なんと、いつもガラガラのはずのタクシー乗り場に長蛇の列が。津波警報で在来線が止まっておりまして、移動できなかった人がタクシーに殺到しております。これでは歯磨きどころかお客様とのアポに間に合うかのピンチ。
それでもタクシーは順調に流れてきまして、なんとかアポには間に合ったのですが、これ、いつもの時間に並んでいたら完全にアウト。歯磨きを思いついたのが不幸中の幸いとなりました。虫の知らせか、単なる偶然か。

また以前にこんなことがありました。
私、20年来通っている地元の美容室がありまして、自宅から美容室までは徒歩でおよそ10分の距離。いつも徒歩で行くか、ごくたまに自転車を利用します。
その日夕方に美容室の予約を入れていたので向かおうとしたのですが、なぜかその日に限ってクルマで行こうと思い立ちます。あとから思うと不思議でならないのですが、時間が無いわけでもなんでもなく、ほんとうに突然思い立ちました。

駅前のタワーパーキングが提携駐車場ですので、そこにクルマを入れたのですが、駐車しようとバックギアに入れても後ろに下がってくれません。何度かチャレンジするのですが、エンジンがうなりをあげるだけでまったくバックせず。そうこうしているうちに最上階まで来てしまいまして、この段に至ってようやくこのクルマはバックができないことを認識します。

一瞬前向き駐車しようかと思ったのですが、バックできないクルマを前向き駐車したら、そのあとに別の悲劇が待っていることは明らか。駐車するのを諦めて急いで自宅に戻ります。途中切り替えしができないところはクルマを下りて押したりと、何度かピンチはありましたが、無事に到着。頭から駐車場へ突っ込んで、慌てて別の手段で美容室へ向かいました。

皆さんはバックのできないクルマを運転して出かけたことはありますでしょうか。普通ないと思いますが、バックできないと認識したあとの恐怖たるや。。前にしか進めないクルマ、もう二度とご免ですかね。
それでも、私が乗っているときでよかったなあと、つくづく思いました。他の身内が乗っていたらかなりのパニックになるのは目に見えています。

実家からもらい受けたボロボロのフォルクスワーゲン。そのまま廃車と相成りましたが、あの時なぜクルマで行こうと思い立ったのか、いまだに不思議でなりません。 虫の知らせか、単なる偶然か。なんだか最後にクルマが私を呼びよせてくれたような、そんな気がしております。