Black or White?

皆さま、こんにちは。サイクロア代表Nでございます。

関東地方もいよいよ梅雨入り。私の嫌いなレイニーシーズンがやってまいりました。
多湿で不快なこの季節。体調など崩されていないでしょうか。

私、日々のランのおかげ?で、日焼けだけは既に真夏のレベル。ランナーの方で同じような人、多いのではないでしょうか。
昔はまったくのノーケアだったのですが、さすがに最近は顔だけは日焼け止めを塗るようになりました。が、当たり前ですがそれでも焼けてしまいます。夏を前にこんなに日焼けしていると、なんだか胡散臭い人に見えないか心配になってきます。

この「日焼け」。私の若い頃は積極的に「焼く」人も多く、小麦色の肌は健康美の象徴であり、ファッションの一部でもあり、いまとは扱いがまったく異なるものでした。
黒い肌がもてはやされたこの時代。「白くて気持ち悪い」などど不当な中傷をされた方も多かったのではないでしょうか。夏にTシャツ着るなら日焼けは必須、みたいな感じで、肌色に関して言うといまとは黒と白の扱いが真逆の時代でした。オセロにたとえるなら完全に黒が優勢でした。

私が子どもの頃は、地元の海水浴場で「くろんぼ大会」なる大変不適切な大会が毎年夏に開催されておりました。大会名称もさることながら、日焼けの濃さを競うという、いまでは考えられない競技の大会。当時は至るところでこの手の大会が開催されていたと思われます。「優勝間違い無し!」とか言われても複雑な気持ちになりそうです。

日焼けの必須アイテム、コパトーンのサンオイルも日本国内での販売を終了した模様です。私の世代であのココナッツの香りが忘れられないという人も多いのではないでしょうか。夏のビーチの象徴でした。懐かしいです。

現代は白い肌がもてはやされる時代。オセロの優勢は完全に黒から白へ移ったようです。

そんななか、先日たまたま見ていたNHKの番組で、美容に目覚める中高年男性が急増していると聞いて驚きました。曰く「美しくなりたい気持ちに男女差はない」そうです。

50代男性の基礎化粧品に対する支出が1.5倍に拡大している、とか言われても正直ピンとこないのですが、日焼けはお肌の大敵、百害あって一利なしと言われる時代。いま大切なのは日焼けではなくスキンケア、ということなのでしょう。私たちのような日焼け世代にも美白は着実に浸透しつつあるようです。

番組に登場した美容に目覚めた中年男性のおひとりがいっていた言葉が印象に残ります。
「何キロも走って、筋トレやって、耐えることで健康になる。(美容を知る前は)そういうことしか知らなかった」
なんだか急に時代に取り残されたような、複雑な気持ちになりました。「くろんぼ大会」が開催されていた頃とは隔世の感があります。

まあ、ファッションに代表されるように、世の流行廃りはサイクルで、多くの分野で流行だったりトレンドと言われる事象は周期的な変動を繰り返します。現在は白い肌優勢ですが、この法則に則ると、今後再び黒い肌が脚光を浴びる日が訪れるのかもしれません。

この男性の美容の普及。番組に登場する皆さんがおしなべて口にしていたのが、「内面的にもよい変化があった」ということ。見た目が整うことで、その人が本来もっている外向性が発揮されたり、自信を持つことで心に余裕がうまれ、人に対して寛容になったりするのであれば、こんなに素晴らしいことはありません。

番組では、そのほか男性のメイクも紹介されておりまして、施術前後の比較を見ると確かに印象変わります。実際に日常的にメイクされている方もおられるようです。

ユーミンこと荒井由実の往年の名曲に『ルージュの伝言』というのがありましたが、現在までの大前提として、メイクするのは女性という不文律があります。男性がメイクもする現代社会においては、この不文律ももはや成り立たないのかもしれません。
ルージュで伝言するのは、もはや女性だけの専売特許ではないのかしれませんね。