皆さま、こんにちは。サイクロア代表Nでございます。
私の地元周辺では、ちょうど先週末に桜が満開の見ごろを迎えまして、いつもの川沿いの遊歩道も露店が出て賑わっておりました。今年は4月に入って寒い日が続いたせいか、花の付き方にばらつきがあり、いまひとつきれいに咲いていなかったのですが、ようやく見ごろを迎えた感じです。
日曜日には毎年恒例の地元メンバーでお花見を予定していたのですが、当日は残念ながら直前に雨がぱらつくなど天気が不安定。早々に駅前の居酒屋に方針転換しまして、お花見とはまったく関係のない、普通の飲み会で盛り上がりました。
そんな桜満開の春、今年読んで個人的に衝撃をうけた本を2冊ご紹介させていただきます。
『社長失格~ぼくの会社がつぶれた理由~』(板倉雄一郎著)
1990年代にハイパーネットというベンチャー企業を起ち上げた板倉雄一郎氏の著作です。
少々古い本ですが、いま読んでも衝撃的です。とくに後半は読み進めるのがツラくて、読みながら自分も落ち込んでしまいます。そして、同じ境遇に置かれたら自分ならどうなるだろう、と深く考えさせられました。
MBAのケーススタディにでもなりそうな内容で、私は知らなかったのですが、実際にベンチャー経営者のバイブルのような存在になっているようです。
実はこの本、南場智子氏の著書『不格好経営』のなかに出てくるので、そのときからいつか読んでみたいと思っていたのです。なかなか手に取る機会がなかったのですが、長かったシリーズものの本も読み終わり、今年に入ってようやく読むことができました。
不格好経営のなかでは、創業間もないディーエヌエーに入社を希望する若者を諭すため、この本の一読を薦める、というシーンで登場します。たしかにこれ読んだらベンチャーへの入社は思いとどまるかもしれません。
当時はあまりピンときていなかった銀行の「貸し剝がし」も酷過ぎて驚きます。社会問題にもなったので言葉だけは憶えているのですが、健全なお金の貸し手であるはずの銀行がここまでやるのか、と怖くなりました。まあ、当時の社会状況を考えたら決して彼らを責めることなどできないのでしょうけど。
なにかと批判の多い企業の内部留保の積み上げも、これを読むと仕方ないと思えてきます。
『迷走するボーイング』(ピーター・ロビソン著)
新聞の広告でこの本の存在を知り、なんとなく気になって購入してしまったのですが、こちらも衝撃的な内容でした。737MAXの事故につながっていくボーイング社の変節が描かれています。
日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落したのは1985年。今年は事故からちょうど40年の節目にあたります。
ボーイング社による不適切な機体の修理が墜落につながったと言われておりますが、それでも当時は速やかに過ちを認め再発防止に取り組む誠実な企業でした。あれから40年が経ち、企業体質も大きく変わってしまったようです。

もう10年以上前のことですが、アメリカ本土への渡航で当時の最新鋭機ボーイング787に搭乗したことがあります。その新しい機体と、機内のLED照明や電子シェードなどの最新設備に興奮したことを思い出しますが、この本読んだらいまさらながら怖くなりました。無事でよかった、と。
飛行機に乗るときは一応機体をチェックしていたのですが、これからは可能な限りエアバスの便を選択しようと思います。
あと、普通に考えたらあたりまえなのですが、おなじ機体のエラーに遭遇してもパイロットの技術や熟練度で墜落を回避できる可能性があります。高度に自動化されているので誰が操縦しても同じ、などと安易に考えておりましたが、改めなければなりません。
残念ながらパイロットの指名はできないのでそこは運に任せるしかありませんが、せめて航空会社の選択だけは慎重にしたいと思いました。
この本、ひとつだけ残念なことが。翻訳がイマイチなんです。少々難解な内容となってしまっているのも、この翻訳によるところが大きいと思います。文芸作品でもないので仕方ないのかもしれませんが、もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか。
以上2冊、ご興味あれば是非読んでみてください。
とくに、もし起業をお考えの方がおられましたら前者の方を一読することをおススメします。