読書 2023

皆さま、こんにちは。サイクロア代表Nでございます。
寒暖差の激しい日が続いております。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

先日、泉麻人の『大東京23区散歩』という本を読み終えたのですが、気軽に読み始めたら600ページを超える大作でして、しかも途中に描かれている村松画伯の地図と見比べながら読むので、行きつ戻りつで結構時間が掛かってしまいました。
泉麻人といえば、私のようなポパイ世代にはお馴染みのコラムニストですよね。昔この人の東京23区シリーズとか地下鉄シリーズをよく読んでいました。懐かしいです。

最近読みたい本があり過ぎて困っております。
本書に時間が掛かっている間に、未読本の在庫が一気に膨れ上がってしまいまして、先日たな卸ししたところ8冊ありました。
人から薦められたり、ネットや新聞などのメディアで紹介されて興味を持ったものを忘れぬうちに…などと考えてついつい買ってしまいまして、気付いたらこの在庫。年内に一掃するのはもう無理ですね。あきらめました。

今年は特に初めて読む作家さんが多かったですね。
2023年も間もなく終わりということで、今年読んだ作家さんの本をいくつか紹介させて頂きます。

まずは橘玲。
私の愛読しているフィリピンに関するブログで紹介されていた『ダブルマリッジ』という本を読んだのがきっかけで、立て続けにこの方の本を読んでしまいました。
『マネーロンダリング』、『タックスヘイブン』の金融小説から始まり、 『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』のようなエッセイまで、今年一番ハマった作家さんかもしれません。
会社勤めの身には残酷なことかもしれませんが、私たちはもっと税金の問題に目を向けるべきかもしれませんね。
この日本国には、二重三重に税金を払っていることに無頓着な大変奇特な方がいる一方、制度の矛盾を利用して税金をほとんど払わず済んでいるお金持ちもたくさんいます。還元などと寝ぼけたことをいう前に、こういう制度矛盾を潰していく方が先でしょう。

つぎは山田詠美。
いつも聞いているFMラジオで、番組ゲストの演奏家の方が素晴らしい本だと紹介していた『血も涙もある』。それまで山田詠美には全く興味なかったのですが、気になって購入してしまいました。
ラジオで紹介のとおり、なるほど良本でしたね。終わり方もこのテの作品にはめずらしい結末で、それも良かったと思います。
作家さんなので当たり前なのでしょうが、色々なものに対する知識が豊富で勉強にもなります。

そして林真理子。
最近は作家というより日大の理事長で忙しそうですが、私の世代ではコピーライターなイメージですかね。
日経新聞で以前連載されていて、毎朝ハラハラしながら読んでいた『愉楽にて』。単行本化されたので改めて読んでみました。
以前は連載で読んでいたので、続きが気になって次回が待ち遠しかったのですが、大人買いした漫画本を一気に読んだような感覚とでもいいましょうか。うれしくなりましたね。
改めて感心するのが、好対照の2人の男性を使い、ゆがんだ心のうちを見事に描いていること。女性の作家さんが男性の心理をここまで描写できることに驚きます。とはいえ、大金持ちのお話ですので、全く共感はできないのですが。
併せて『不機嫌な果実』も購入して読みましたが、こちらもハラハラさせられる内容で疲れました。

最後に、橘玲『ダブルマリッジ』の流れでフィリピン関連の本を探していたところ、船戸与一『虹の谷の五月』という本を見つけ、久しぶりに同氏の本を購入しました。
読みだしたら止まらなくなるだろうなと分かっていたので、なかなか手を付けられずにいたのですが、やっぱり止まらなくなって、あっという間に読んでしまいました。相変わらずの船戸節、文句なしに面白かったです。
一般的にセブ島というとビーチリゾートを連想しますが、それはマクタン島という隣の島。知りませんでした。私のように勘違いされている方、多いのではないでしょうか。
この本に出てくる大人が酷い人間ばかりなので、読んでいて嫌な気持ちになりますが、それもフィリピンの現実、ということなのでしょう。ますます行ってみたくなりました。