NETFLIX(ネットフリックス)

皆さま、こんにちは。サイクロア代表Nでございます。

かなり前のことですが『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』という本を読みました。
NETFLIXは皆さんご存じですよね。いまでこそインターネット時代を象徴する企業のようにいわれておりますが、元々は宅配専門のDVDレンタルサービスの会社。成り立ちは非常にアナログな会社なんですよね。知らない人も多いのではないでしょうか。

この本、『コンテンツ帝国の野望』などと大仰なサブタイトルが付いておりますが、内容は宅配サービス時代ならではの苦労話が中心で、文句なしに面白いんです。なかでも同業のライバル、ブロックバスターとのシェア争いのくだりは秀逸です。
翻訳本特有の読みづらさはあるのですが、内容に引き込まれ、途中からまったく気にならなくなります。お薦めですので、是非読んでみてください。

このレンタルDVD 、昔でいうレンタルビデオですが、私の若かりし頃はいたるところにお店がありまして、よく利用させて頂きました。当時は結構映画好きで、アメリカ映画を中心によく観ていたんですよね。
娯楽の少ない時代、会員証片手にレンタルビデオ店へ行き、借りた映画のビデオを週末に鑑賞するというのが楽しみでした。いまでは考えられないアナログな行動ですね。見方を変えると、贅沢な時間の使い方をしていた、といえるかもしれません。
最近では、駅前のTSUTAYAもマツキヨに変わってしまい、近くでレンタルできるお店もなくなってしまいました。DVD宅配サービスの方はまだがんばっているようですね。

いまのご時世、NETFLIXを筆頭に各種の動画配信サービスがありますので、当時観ていた昔の映画も、どこかのサービスを探せば観ることができそうです。
動画投稿サイトに映画のワンシーンを切り取って投稿されているものもあり、当時感動した映画の名シーンもこれらのサービスを使えば簡単に観ることができるのですが、これは著作権法違反の可能性がありますのでご注意ください。
タイパ、タムパなどといわれますが、効率よく名シーンを鑑賞できるという点では凄い時代になりましたね。レンタルビデオを借りていた時代からは考えられません。そこに感動があるかどうかは別ですが。

ちなみに、私の好きな映画の名シーンはなんといっても『愛と青春の旅立ち(原題:An Officer and a Gentleman)』のラストシーン。本作でアカデミー助演男優賞に輝いたルイス・ゴセット・ジュニアがいい味出してます。あと、若かりし頃のリチャード・ギアがとにかくかっこいいんですよね。プリティ・ウーマンでLAの実業家に扮するのはこの18年後です。

そして『ダーティダンシング』。主題歌『Time of my Life』が流れる最後のダンスシーンは、ウィキペディアによると「映画史上、最も鳥肌たつダンス・シーン」だそうです。「映画史上最も」かどうかわかりませんが、たしかに鳥肌立ちます。じつは私、今でもこのサントラCD持ってたりします。
皆さんも鳥肌立つか、是非ご覧になってみてください。

NETFLIXといえば、Amazonと同じようなレコメンド機能が有名ですよね。閲覧者の好みを解析して、お薦めの動画を並べてきます。じつはこのレコメンド機能、宅配サービス時代の苦肉の策が始まりだったりします。
新作映画のDVDにレンタル希望者が殺到すると、当然ながら全員が借りられるわけもなく、借りられない人の不満が募ります。いつも品切れというお店には、お客は行かなくなりますよね。

この事態を回避するために開発したのが「シネマッチ」とよばれるエンジン。要するに、品切れを防ぐため、新作ではなく在庫の豊富な旧作へ客を誘導する、というものです。NETFLIXのような当時新興の企業には、新作DVDの割り当ても少なく、品切れのリスクも高かったんですよね。いわば苦肉の策で開発したものですが、これが現在の強力な武器でもあるレコメンド機能につながります。

現在のスマートなイメージのNETFLIXからは想像もできませんが、 時に泥臭く、時に敵失に助けられたりしながら、イチかバチかのぎりぎりの戦いを勝ち抜いてきているんですよね。『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』を読むと、そんな彼らの真実の姿が見えてきます。